9.ファイリング意識の向上
9-1.ファイリングの勧め方 (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
HOMEへ

 

これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

文書の保管スペースが無くなり、書類の削減を行うために、ファイリングを進める事が必須となってきた場合でも、これ皆に理解してもらい、協力を依頼する必要があります。この時、どのように勧めればよいのでしょうか。
 
ファイリングスペースを削減せざるを得ない場合
  これがもっとも簡単な場合でしょう。現在のファイリングスペースと、新しく確保できるスペースを比較して、「書類の○○%カット!」と指示すればいいわけです。但し、このときの削減率をギリギリに設定すると、すぐにスペースが不足する結果となるため、将来の拡張部分をいくらか考慮し、削減率を少し大きめに設定します。
   
オフィスの引越しなどで、荷物を減らす場合
  引越し先が同程度のスペースであれば、特に削減する必要はありませんが、せっかく荷物を整理する機会ですから、これを有効に活用します。ロッカーの片隅にホコリを被っていた不要な書類は、必ず見つかるものです。個人が管理している書類の場合は、その人の性格により、量が大きくばらついています。その人をターゲットに削減を呼びかけても、あまり効果は出ないため、個人の書類は1人あたり、段ボール箱で何箱までと目標値を設定するほうが、効果的でしょう。
   
組織の統廃合により書類の見直しが必要な場合
 

統合の時はほとんどの場合、共通する書類が存在します。この書類は当然ながら廃棄の対象となります。しかし、居室などの場所も変わることがなければ、表立って削減すべき書類はこれ以外には、ほとんど無いと言えるでしょう。
組織が分割され、新しい部門がてきる場合には、必然的に規約や規定類の書類が増加することになります。
それでは組織の統廃合などによって、書類の削減は出来ないのでしょうか。答えはイエスともノーとも言えます。組織だけに着目しているだけでは、書類の削減は不可能であり、これを機会に書類を削減しようとすれば、いいチャンスであり、削減は可能となります。

   
トップダウンの指示による場合
  ファイリングスペースに変化が無くても、書類を削減するのは、ほとんどがトットプダウンの指示によるものでしょう。トップダウンによる指示の場合は、各人の評価にも直接響く可能性が大きく、無視するには、非常に大きなリスクを伴います。
しかし、トップよりの指示がいいかげんであった場合は、書類の量は減るでしょうが、無理な削減を強いられるため、必要な書類を捨ててしまったりする危険性もあります。この場合は、単純に削減を押し付けるのではなく、ファイリングの観点から、どのように整理すればよいのか、分かりやすい指針を決める役割の人が必要となります。
   
総務部門等の発案による書類削減の場合
 

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を推進する中で、書類の整理は重要な位置を占めます。このため、総務部門が発案し、ファイリングを進める必要が出てきます。総務部門が主体の場合、受けるほうは往々にして、「また、面倒なことを言い出した」と受け止めてしまいます。これでは、総務部門が悪者扱いされるだけで、実効のほうはあまり期待できません。トップダウンの形に変えて強制するか、自主的に実行しようとするための動機付けを行う必要があります。

   
文書データベースを作成するなど、電子化を動機とする場合
  電子化には、何らかの形で上を説得して予算などを獲得しているはずで、この説得したときの理由をそのまま皆に理解してもらえばよいわけです。しかし、全ての人に理解してもらおうとするのは無理で、いつの場合も、必ず反対する人は必ずでてきます。これらの人は無理に説得しようとはせず、まず回りの人から始めるようにします。
電子化を進めるにあたっては最も利用され、効果が実感できるものから始めるようにします。たとえ1年で廃棄するような書類であっても、利用頻度が高ければ、有難さが実感できます。反対に、非常に重要な書類であっても、数ヶ月に1度程度の利用しかないようなものは、有難さが実感できません。
但し、リスク管理の観点から、重要書類のバックアップを行う場合には、これを優先させる必要があります。この電子化については、少数の担当者が重要さを見極めながら実施するもので、純粋に業務の一環として行うべきものです。
   

書類を削除するためには、ただ削減するように指示しただけでは、指示された者は困ってしまいます。書類の保存期限(逆に言えば、書類を捨ててもだれからも文句を言われない期限)を明確にし、この期限の設定に対する考えを、皆で共有しておくことが大切です。
書類の削減や、ファイリングの実行などは、しなくても業務上支障があるわけではありません。いかに動機付けるかが大切なことです。

 

| Topページ | 0.はじめに | 1.情報の記録 | 2.増加する書類 | 3.作成から廃棄まで |
| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

backnext| 7.電子ファイルとファイリング | 8.LANの活用と問題点 | 9.ファイリング意識の向上 |
| 10.ファイリングを考慮した書類の作成 | 11.マネジメントシステム |
| 12.リスク管理 | 13.ファイリングに関する動き | 14.付録 | 15.編集雑記 |


Updated on 2013/09/28