文書情報マネジメントの目的

一般に書類整理、文書管理の目的とされるものには次のようなものがあります。

  • 業務の効率化
  • 情報・知識の共有
  • 書類量の削減
  • アカウンタビリティ
  • リスクマネジメント


これらのほかに、事業継続や権利確保(知的財産、先使用権確保)なども挙げられたりします。
さらに最近のタブレットやスマートフォンの普及とともに、モバイル機器からの利用を視野にいれ、テレワークの前提とされるようになってきています。

しかし、これらの目的はどちらかといえば上から見た見方であり、実際にし書類を整理しなければならない人にとっては、直接自分のメリットとして感じられないものではないでしょうか。自分がメリットを感じるような目標に読み直すことが大切となります。

・自分の業務の効率化
楽に仕事ができる
・身の回りをすっきり・システム部門より文句を言われない
オフィス・机の上を広くえる
不要なファイルをなくし、必要なものを早く探し出せる
・顧客満足度の向上
抜けが無くなる
・危機管理
どうせあの人(上司?)が言ってくる

ここでいう自分の業務の効率化は、要するに楽に(できるだけ手を抜いて)仕事ができるようにすることであり、欲しい情報を短時間で取り出すことができる、また違った情報を使わない、すでにある情報を活用(まねる、一部を修正して利用)することで時間の短縮を図り、自分が関係した情報を管理システムに登録しておくことで、何か聞かれそうになった時に、すでに登録してあることを伝えるだけとして、自分の時間を奪われることのないように防ぐことがでるようになります、

顧客満足度という時の顧客とは、会社にとっての顧客ではなく、自分が相手にしなければならない人達と考えます、営業であれば、当然会社にとっての顧客ですが、総務や経理、システム部門では、ほぼ社内の人すべてが対象となり、設計部門では、要望を出してくる営業部門であったり、実際に製造してくれる製造部門であったりします。

オフィスの移転が目標である時の注意点

一般に、文書管理が進むのはオフィスの移転(建物の引っ越しだけでなく、フロアレイアウトの変更による引っ越しも含む)がきっかけとなることがよくあります。この時は、書類を置くスペースがないためとして、『書類の〇〇%を削減する』が目標となりがちです。

この時、まずは明らかに不要なもの(とりあえず取っておいたものなど)を廃棄した後、なくてもなんとかなるもの(電子データはあるが、読みやすくするために印刷したものなど)を整理していきます。また、何かの書類・報告書を作成するときに作成した下書きや参考資料も整理の対象となります。

通常は引っ越しはその日程が決められており、その期限が近づいても目標とする削減率に達しない時は、最後の手段として利用していない書類を複合機などでスキャニングして電子化したうえで廃棄し、なんとか期日までに間に合わせようとします。

しかし、しばらくするとどこかに置き場所を見つけ、すこしずつ元の状態に戻っていきます。これは目的を「オフィス移転までに書類を削減」することとしていたためで、削減後の文書量で業務を継続させることが目的ではなかったためです。「削減後の文書量で業務を継続させる」であれば、オフィス移転時までに書類を削減させたのは単に途中のチェックポイントをクリアしただけであり、その後の維持が本当の目標であり、努力し続けなければならないことになります。

このように誤った目標としてしまったときは、書類削減時の廃棄基準があいまいとなり、必要な書類まですててしまったり、とりあえず電子化したものの、その後の利用を十分に配慮しなかったことから、探し出せなくなることもあります、